愛猫が悪性リンパ腫であるとの現実を突きつけられるとうろたえてしまいますよね。
病気になってから色々調べてわかってくることも多いと思います。
猫のがんや悪性リンパ腫について調べてみると、いわゆる三大治療法（手術、抗がん剤、放射線）の他に、代替療法というものを目にする機会が多いと思います。
代替療法にはオゾン療法やビタミン点滴、温熱療法など病院で行う施術の他、漢方薬やサプリメント、健康食品などの日常的生活に取り込んで体質の改善を目指した民間療法的なものがあります。
ここでは、がんや悪性リンパ腫と闘う猫さん達におすすめのサプリメントの一つ、冬虫夏草のサプリメントについて記載しています。
そもそも冬虫夏草とは
冬虫夏草とは、中国では古くから不老長寿の生薬として珍重されてきたキノコの一種で、昆虫などに寄生して育つキノコです。
名前があらわす通り、冬は虫の姿をしてるけど、夏になると草（キノコ）になる不思議なキノコです。
健康面に与える影響などの研究も盛んに行われており、がんや悪性リンパ腫の治療に一定の効果を見出す臨床報告や論文なども多数発表されています。
冬虫夏草には動物が持つ免疫力を調整する働きがあるとの研究結果が得られていることから、治療の補助として積極的な使用を推奨する医療機関も少なくありません。
その効果に対する口コミもポジティブなものが多い印象でした。
動物が自ら持つ免疫力を調整し、これによってがん細胞を抑制しようというものですから、冬虫夏草の成分自体が直接がん細胞に作用するものではありません。
ですが、ある程度の期間継続することでその効果が実感できてきます。
冬虫夏草サプリメントの【コルディ】と【プライオ】
動物用の冬虫夏草サプリメント製品で検索するとよく目にするのが、「コルディ」と「プライオ」でした。
どちらも口コミは悪くなく、使用方法も変わりません。
そこで、この2製品にどのような違いがあるのか調べてみました。
因みに、コルディには有機ゲルマニウムが含まれるGと含まれないMがありますが、今回はGの方で比較していきます。
こちらがコルディ（写真はMの方）とプライオです。
どちらも非常に細かい粉末状ですので、投与しやすそうです。
色はコルディの方が濃く、薄茶に近い色味ですが、プライオは黄色味掛かった乳白色をしています。
瓶のふたを開けてくんくん匂いを嗅いでみますと、きな粉のような米粉のような香ばしい匂いがします。
どちらも同じような匂いですが、気持ちコルディの方がより香ばしいような気がします。
いずれにしても漢方薬のようなきつい匂いではなく、うちのチャー君も嫌がるようなそぶりはありませんでした。
次に原材料表記を見てみます。
コルディGは【原材料名】冬虫夏草培養物、玄米、有機ゲルマニウム
プライオは【原材料名】冬虫夏草培養物（玄米、冬虫夏草菌）、有機ゲルマニウム
となっています。
記載の仕方が微妙に違っていますが、「冬虫夏草培養物」に対する認識の違いがあるのでしょうか。
成分は次のようになっています。
| 成分 | コルディ（100g中） | プライオ（100g中） |
| エネルギー | 408kcal | 384kcal |
| たんぱく質 | 8.0g | 7.3g |
| 脂質 | 3.4g | 2.8g |
| 炭水化物 | 86.4g | 82.4g |
| ナトリウム | 5mg | 3mg |
| 食塩相当量 | 0.0g | 0.01mg |
| 水分 | 1.0g | 5.8g |
| 灰分 | 1.2g | 1.7g |
| カルシウム | 12mg | – |
| リン | 303mg | 281mg |
| カリウム | 161mg | 323mg |
| マグネシウム | 122mg | – |
| 亜鉛 | 2.2mg | – |
| 鉄 | 0.8mg | – |
| 銅 | 0.17mg | – |
| マンガン | 1.62mg | – |
コルディの方が分析項目が多いですね。
カリウムの含有量はプライオがコルディの約2倍と多めになっています。
ナトリウムの量を見るとコルディの方がプライオよりも多いので、ナトリウムとカリウムのバランスはコルディがナトリウム強め、プライオはカリウム強めということでしょうか。
水分量はプライオの方が多く、粉末もコルディよりも気持ちしっとりしている印象を受けました。
表は100g中の量ですので、実際に与える量は体重5㎏に対して約2gですから誤差の範囲なのかもしれませんが。
また、コルディG、プライオそれぞれに有機ゲルマニウムというものが添加されています。
この有機ゲルマニウムの効果としては、
・血流改善
・疼痛緩和
・ウイルス増殖抑制
・抗ガン作用
といった効果が期待できるとのことで、冬虫夏草成分との相乗効果を狙ったもののようです。
原材料の冬虫夏草についてはどちらの製品も玄米を培地にして培養するというものでした。
製法にどのような違いがあるのか気になったので、原材料表記についてそれぞれの会社に問い合わせてみました。
問い合わせ内容は、冬虫夏草の培養過程や製品中の冬虫夏草の割合についてです。
それぞれ説明して頂いた内容と、各製品の特長や使用した感想などは次の通りです。
コルディ（株式会社モノリス）
日本産の冬虫夏草菌を付着させた玄米培地を数か月培養し、出来上がった子実体（キノコ）、菌糸体、培地に含まれた二次代謝物全てを乾燥、粉砕し製品化しています。
培養最終段階には二次代謝物の液体に覆われて培地の原型はなくなるようで、産生された子実体、菌糸体、二次代謝物のすべてを製品の材料として使用することに価値を置いているようです。
また、安全性への取り組みにも力を入れており、
- 厳しいGMP規準に準拠した施設
- GLP適合機関の安全性試験を実施
- 定期的にDNA検査、放射能検査を実施
- 競走馬理化学研究室のドーピング検査にも合格済み
など、第三者による安全性評価を受けている点は安心できます。
さらに、がん治療の補助として、全国250か所以上の動物病院で使用されており、多くの獣医師からも推奨される製品のようです。
多数の臨床報告から実績も多く、製品の口コミ評価の多さからも信頼性の高さを感じました。
【価格】
30g入り1本 6300円（税込）
100g入り1本 19500円（税込）
〈コルディ研究室〉https://lab.cordy.monolith-japan.com/cordy/
プライオ（メディネクス株式会社）
日本産の冬虫夏草菌を付着させた玄米培地を用い、静置培養時間1000時間以上を目安に培養し、出来上がったものを乾燥、粉砕し製品化しています。
1000時間はおよそ41日間で、培養期間数か月のコルディよりも早い段階で培養を終えるのではと考えられます。
また、プライオは冬虫夏草の育成中に菌糸体から分泌される物質群（二次代謝物）を培地に含ませることに注力しており、逆に大きな子実体（キノコ）を作らせない製法とのことでした。
したがって、プライオは菌糸体と二次代謝物質をメインに据えた製品であり、子実体部分はあまり含まれていないのではないかと考えられます。
プライオの開発者の方は薬剤師で、サイトの経歴に記載がありますが、元々コルディを販売する株式会社モノリスに勤められていた方です。
また、コルディの拡販に中心的に携わっていた様子。
ですが、冬虫夏草の製造には直接関わっていたわけではなかったようで、冬虫夏草の安定培養にはかなり苦労をされ、試行錯誤の末に製品化にこぎつけたと書かれています。
この方が独立後、獣医師と共同で開発したものがプライオで、こちらも複数の動物病院で採用されているようです。
大きな会社ではないようですが、小ロット毎の培養、薬剤師であるご本人による作業管理など、製品の品質に対する姿勢には大変好感が持てました。
また、安定的な生産が可能になったことで、価格の見直しを行い、コストパフォーマンスがかなり高い製品になっています。
これは、良い製品をより広く使ってもらうための企業努力だと思います。
【価格】
45g入り1本 6900円（税込）（令和2年7月現在）
135g入り1本 16800円（税込）（令和2年7月現在）
〈プライオの概要〉https://medinex.nagano.jp/product/prio-sl/
まとめ
どちらも冬虫夏草の子実体（キノコ）よりも菌糸体や育成中に産生される二次的な代謝物質に価値を置いた製品のように感じました。
製法上、培養後に冬虫夏草と玄米を分離できないため、その割合についてのお答えは頂けませんでした。
ですが、培地として用いられる玄米は冬虫夏草に栄養を吸われ、また冬虫夏草の分泌物が含まれていくとのことから、考えようによっては製品の大部分が冬虫夏草の成分とも言えるかもしれません。
実際に両者の性能を比較するのは困難ですが、個人的にはどちらもよく考えられた品質の良い製品だと思います。
結局どっちがいいの？ってところですが、
用量、用法は同じですので、冬虫夏草のサプリメントを試してみたい！または投与量が多くて大変！などの場合はコスパの良いプライオがいいかもしれません。（プライオはサンプルを配布しているのでお試しできます）
一方、多数の臨床報告や、安全性への取り組みなどから信頼性の高いものを求めた場合はコルディを選択するといいと思います。（口コミもコルディの方が圧倒的に多いです）
体質などにも左右されると思うので、必ずしも効果があるといえないところがありますが、一度試してみる価値はあると思います。（うちの子には明らかに効果がありました）
世にあふれるサプリメントから適切なものを選ぶのは大変ですが、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
なお、この記事の内容は私個人の考えや感想に過ぎませんので、ここに記載の内容を直接問い合わせることは絶対にしないでください。
各公式サイトに詳しい内容が記されていますので一度目を通すと色々と勉強になると思います！
コメントフォーム